New Car Driving Data 2009

連載「新車総研」上ではすべてを紹介しきれなかった話題のクルマを中心に、ドライブの楽しさや、デートでの使える度など、6つの視点でニューカーを解剖していきます。

New Car Driving Data 2009

2010.07.09|New Car Driving Data 2010

BMW X1
クロスオーバーの中から
X1を選ぶ、その理由

ゲイナーの採点
ファン・トゥ・ドライブ度:★★★★
目立ち度:★★★★
インテリア洗練度:★★★
デートカー度:★★★★
コストパフォーマンス:★★★★
燃費:★★★


なんだか最近、クロスオーバーと言えば何でも解決する、みたいな雰囲気がある。確かに“異なる分野の物事を組み合わせて新しい物事を作り出す”というのは聞こえはいいが、行き詰まりや閉塞感からの逃げ道でしかないのでは……。耳障りのいい、いいとこ取りは結局すべてを失うような気もするが、それでも自動車メーカーは続々とクロスオーバーをデビューさせてくる。そうしたモデルのほとんどに共通するのはオフロードも走れるけどステーションワゴンのユーティリティもあるし、オンロードではスポーツカーのような走りをするうえに、街乗りにも似合う。いったい何者だよ、とツッコミどころ満載なのが流行の“クロスオーバー”なのだ。逆に言えば突出した能力を持っていない訳だが、では数多くのクロスオーバーの中から“何を基準に選ぶか?”だ。

今回のBMW・X1の武器と言えば“すべてがBMWだ”ということ。スポーティサルーン作りでは頂点にあると言っていいBMWの走りの味、クオリティ、そしてブランド力のすべてがX1にも備わっているという点が最大の魅力なのだ。これは試乗すればすぐに分かるのだが、BMW車には独得の走りの世界がある。ステアリングを切ると、ドライバーの意思に寸分違わぬラインを描きながら曲がっていく。アクセルを踏めば絶妙の間合いとパワーで気持ちよく加速し、ドライバーの思いどおりの速さをストレスなく実現する。“完璧なドライバーズカー”であることこそBMWの資格なのだ。当然、X1にもその味わいがある。車名が示すように1シリーズの基本コンポーネンツを使って作られたSUVなのだが、走りの味はスポーツハッチバックの1シリーズにも似た軽快さでBMW流儀を味わうことができる。と、ここまではBMWフリークがX1を納得するための理由。だがそれ以外の一般人には、さらにしっかりとした購入理由が必要だ。

その最大の理由は363万円という“BMWとしてはかなり格安”という価格になるだろう。この値段で見栄えのする一流ブランドのクロスオーバーが手にできるということは、悪くない理由だ。これに全幅1800mmに抑え、全高も1545mmとタワーパーキングにも入場可能なコンパクトで使いやすいボディサイズと“BMWに一回ぐらいは乗ってみたいから”という理由も加われば、まぁいいかなと思えるのに違いない……。(取材:佐藤篤司)

SPECIFICATION
サイズ:全長×4470mm全幅×1800mm全高×1545mm
ホイールベース:2760mm
車重:1560kg
エンジン:直列4気筒DOHC
排気量:1995cc
最高出力: 110kW(150ps)/6400rpm、
最大トルク:200Nm(20.4kg-m)3600/rpm
トランスミッション:6速AT
10・15モード燃費:11.4km/l
価格:363万円(sDrive18i)
*問い合わせ:BMWカスタマーサポート TEL:0120-55-3578

評価項目の基準
ファン・トゥ・ドライブ度:走りの楽しさ。快適気持ちのいい走り度でもある。さらに彼女に運転を任せられるかなども評価。
目立ち度:街中などでの視線の集中具合など話題性や注目度を評価
インテリア洗練度:インテリアのデザインや質感、居心地の良さなどを評価
デートカー度:デートカーとしての役割。女性に人気があるか関心を示して貰えるか?
コストパフォーマンス:お買い得度、ランニングコストなどを総合的に評価
燃費:そのセグメントに置いて燃費の良さ、環境性能をどれほど気にしているかを評価
★5つがフルマーク

2010.06.10|New Car Driving Data 2010

アバルト500
街乗りもワインディングもオシャレにこなす
可愛いサソリ登場!

ゲイナーの採点
ファン・トゥ・ドライブ度:★★★★★
目立ち度:★★★★
インテリア洗練度:★★★★
デートカー度:★★★
コストパフォーマンス:★★★★
燃費:★★★


「俺はガレージにサソリを飼ってるぜ」。40代以上のクルマ好きになら、何を言っているのかすぐに分かるはず。実はイタリアのスポーツブランド、アバルトのマークがサソリであり、そこから生み出されるスーパーモデルはみんなの憧れだったからだ。ま、メルセデスのAMG、BMWのアルピナに匹敵するブランドか、それ以上の名門。もちろん現在もフィアットの傘下でアバルトはしっかりと生きていて、フィアット500をベースにアバルト500などがリリースされ、300万円あまりの高額でありながらヒットしている。

今時、スポーツモデルが・・・・・・。これはホンダのハイブリッドスポーツ、CR-Zとも共通する流れだが、CR-Zにはハイブリッドという時代との整合性があった。アバルトの整合性はと言えば、実はこれもエコなのだ。135馬力の直列4気筒1.4㍑DOHCエンジンはターボで武装され、強烈な走りが可能なのに、燃費はそれほど悪くない。もちろんワインディングをマジで走り込めば、コンパクトカーの燃費ではない。箱根走行テストでの実測だが6.2km/㍑ほど。スポーツカーだが1.4㍑のコンパクトカーとしては不満。しかし、一度ゆったりモードに高速や市街地を走れば平均でリッターあたり15㌔をクリアし、平均12㌔/㍑ほど。スポーツカーとすればかなりいいのだが・・・・・・。

その上で300万円だから装備も充実。ヘッドレスト一体型のレザースポーツシート、アルミペダルやボタンひとつで最大トルクが向上するなど数多くの本格的装備や7つのエアバッグやESP、EBD付きABSなど安全装備が標準装備され豪華。”小さなプレミアム”というスタンスも時代に合っている。そこにフィアット500に手を加えた何ともキュートな外観がプラスされる。エアロパーツの装着によってかなりスポーティなものに仕上げられているが、どこかに可愛らしさやんちゃさを感じさせる味付けがある。その仕上げレベルの高さは機能重視の空力チューンだけに留まらず、ファッション部品として通用するパーツの数々。フェラーリやポルシェのような定まった価値でなくても街でも十分に存在感を放つスポーツカーだ。あ、ミッションは今のところ5速MTしかないけど・・・・・。

SPECIFICATION
サイズ:全長×3655mm全幅×1625mm全高×1515mm
ホイールベース:2300mm
車重:1110kg
エンジン:直列4気筒DOHCターボ
排気量:1368cc
最高出力: 99kW(135ps)/5500rpm、
最大トルク:180Nm(18.4kg-m)/4500rpm
トランスミッション:5速MT
10・15モード燃費:データ未公表
価格:295万円
*問い合わせ:アバルトコールセンター℡0120-130-595

評価項目の基準
ファン・トゥ・ドライブ度:走りの楽しさ。快適気持ちのいい走り度でもある。さらに彼女に運転を任せられるかなども評価。
目立ち度:街中などでの視線の集中具合など話題性や注目度を評価
インテリア洗練度:インテリアのデザインや質感、居心地の良さなどを評価
デートカー度:デートカーとしての役割。女性に人気があるか関心を示して貰えるか?
コストパフォーマンス:お買い得度、ランニングコストなどを総合的に評価
燃費:そのセグメントに置いて燃費の良さ、環境性能をどれほど気にしているかを評価
★5つがフルマーク

2010.05.10|New Car Driving Data 2010

三菱RVR
コンパクトSUVの優等生は抜群の
乗り心地とデザインがウリ

ゲイナーの採点
ファン・トゥ・ドライブ度:★★★★
目立ち度:★★★
インテリア洗練度:★★★
デートカー度:★★★★
コストパフォーマンス:★★★★
燃費:★★★★


三菱のクルマ、とくにSUVと呼ばれるタイプに乗るといつも強烈に感じることがある。それは“抜群に乗り心地がいい”と言うこと。RVRのように背が高く、重心も高くなるクルマは、ローリング(左右のグラつき)を抑えるために、サスペンションは引き締められ乗り心地はどうしても堅くなることが多い。RVRもそうなるはずだが、走り出してすぐに感じるのは「穏やかな乗り心地だな」という三菱車特有の利点。おまけにステアリングのフィーリングも、手応えが良く、コーナーでもノーズがスッと入り実にスムーズにコーナーをクリアする。この連続感を持った動きから背の高さを感じることもほとんどない。こうした手頃なサイズ感と乗り味の穏やかさのお陰で、ボディの四隅がはっきりと分かるため、彼女が運転を変わってくれる場合でもストレスを軽減してくれるはず。

このスマートな乗り心地を引き立てているのが、可愛らしいスタイル。RVRがヒットしている最大の要因はこのスタイルにもある。ボディじたいは3ナンバーに属するのだが、SUVとコンパクトカーを融合させたクロスオーバーデザインはボディをとてもコンパクトに見せる。バンパーや膨らんだフェンダーのデザインにはSUV的な力強さを漂わせながら、泥臭さも武骨さも感じさせない技ありデザインがデートカーとしての価値を大きくアップさせている。おまけにリーズナブルと来れば、これは無敵か? 気になるのは強烈な印象を残す「ジェットファイターグリル」だ。ギャラン・フォルティスやランサーで知られる大きく口を開けた表情だが、これをどう感じるかでRVRの評価もちょっぴり変わりそうだ。

SPECIFICATION
サイズ:全長×4295mm全幅×1770mm全高×1615mm
ホイールベース:2670mm
車重:1350kg
エンジン:直列4気筒DOHC
排気量:1798cc
最高出力: 102kW(139ps)/6000rpm
最大トルク:172Nm(17.5kg-m)/4200rpm
トランスミッション:CVT
10・15モード燃費:15.2km/L
価格:178.5万円(E・FF車)


評価項目の基準
ファン・トゥ・ドライブ度:走りの楽しさ。快適気持ちのいい走り度でもある。さらに彼女に運転を任せられるかなども評価。
目立ち度:街中などでの視線の集中具合など話題性や注目度を評価
インテリア洗練度:インテリアのデザインや質感、居心地の良さなどを評価
デートカー度:デートカーとしての役割。女性に人気があるか関心を示して貰えるか?
コストパフォーマンス:お買い得度、ランニングコストなどを総合的に評価
燃費:そのセグメントに置いて燃費の良さ、環境性能をどれほど気にしているかを評価
★5つがフルマーク

2010.04.10|New Car Driving Data 2010

HONDA CR-Z
ホンダのスポーツマインドを
ハイブリッドで表現した新世代デートカー

ゲイナーの採点
ファン・トゥ・ドライブ度:★★★★
目立ち度:★★★★
インテリア洗練度:★★★
デートカー度:★★★★
コストパフォーマンス:★★★★★
燃費:★★★★★


時代の要請とはいえ、エコドライブというとチマチマとした節約ムードがいつでも漂ってしまう。そんな閉塞感をスッパリと取り払ってくれたのがホンダのハイブリッドスポーツ、CR-Zだ。このマツダ・ロードスターとほぼ同じコンパクトボディのスポーツモデルが売れている。3月現在、受注7000台を超え、納車は2~3カ月待ち。年齢構成を見ると子育てを終えた40~50代が35%、そして30代が35%とこの辺は“クルマの楽しさを知る世代への贈り物”というホンダの狙いどおりの構成比だ。ところが、驚くのはミニバンや軽自動車に傾倒していると思われていた20代独身男性、つまりゲイナー読者の世代が15%もいる。クルマ好きを公言出来ない時代と言いつつも“ハイブリッド”の一言と“本当にかっこよく、楽しい車”という要素があれば、スポーツカーだって売れるという証明になったわけだ。そういえばフィアット500のスポーツモデル、アバルト500の魅力的なスペックにオヤジ世代だけでなく、アラサー世代にも刺さっていることと似たような状況なのかも知れない。 ではCR-Zの楽しさとは? まず燃費がいいのだ。一般的にスポーツカーといえば、ガソリン食いの象徴。ところがいま、BMWやポルシェ、フェラーリまでもがハイブリッドスポーツカーを投入する時代。そんな中でCR-Zは“ハイブリッドをエコで終わらせない”と言うホンダの主張を具現化し、10・15モード燃費で25km/L(CVT)を達成している。実用燃費だが、ワインディングや高速を含んだ35キロほどの試乗ルートを心から楽しんで14.2km/L。カタログ燃費の50%以上の数値を走りを楽しんだ上で維持したのだから上出来。この好燃費を達成した最大の要因は、「SPORT」「NORMAL」「ECON」の3つの走行モードを選択できるホンダ初の3モードドライブシステムだ。メーター横に並んだセレクトスイッチはワンタッチで素早く切り替え可能。走りを楽しむ時だけ、トルクがどかんと出てくるスポーツモードをセレクト、それ以外は市街地などで有効なノーマルか、徹底したエコモードで燃費を稼ぐ。こうしたハイブリッドとスポーツカーをドッキングさせたシステムによって“スポーツカーに乗る罪悪感を払拭”してくれた。

もちろん、走らせてみるとステアリングを切っただけ、スッスッスッと鼻先の方向が気持ちよく変わり、あたかもターボチャージャーのごとくモーターのアシストを受け、力強く加速するフィーリングは完璧なライトウエイト。挙動のすべてが手の中にあるその感覚はBMWミニクーパーSのような感覚でウキウキしてくる。自由自在に操れるという征服欲、そしてハイブリッド車であるという世間への言い訳を両立したスポーツカー。こいつなら“走り屋”には見られないから、デートカーとしても活躍してくれる。

SPECIFICATION
サイズ:全長4080mm全幅×1740mm全高×1395mm
ホイールベース:2435mm
車重:1160kg
エンジン:直列4気筒OHC 1496cc
最高出力: 83kW(113ps)/6000rpm
最大トルク:144Nm(14.7kg-m)/4800rpm
モーター最高出力:10kW(14ps)/1500rpm
モーター最大トルク:78Nm(8.0kg-m)/1000rpm
トランスミッション:CVT
10・15モード燃費:25.0km/L
価格:226.8万円(β)


評価項目の基準
ファン・トゥ・ドライブ度:走りの楽しさ。快適気持ちのいい走り度でもある。さらに彼女に運転を任せられるかなども評価。
目立ち度:街中などでの視線の集中具合など話題性や注目度を評価
インテリア洗練度:インテリアのデザインや質感、居心地の良さなどを評価
デートカー度:デートカーとしての役割。女性に人気があるか関心を示して貰えるか?
コストパフォーマンス:お買い得度、ランニングコストなどを総合的に評価
燃費:そのセグメントに置いて燃費の良さ、環境性能をどれほど気にしているかを評価
★5つがフルマーク

2010.03.10|New Car Driving Data 2010

BMW 5シリーズGT
BMWのブランド力と伝統の走りで
作り上げた新ジャンルのスポーツモデル

ゲイナーの採点
ファン・トゥ・ドライブ度:★★★★★
目立ち度:★★★★
インテリア洗練度:★★★
デートカー度:★★★★★
コストパフォーマンス:★★
燃費:★★


ベースはBMW5シリーズだが、そのスタイルのジャンルを特定できない。セダン、SUV、ワゴン、ミニバン、クーペなどといった従来のセグメント分けでは規定できないスタイルなのだ。「セダンやツーリング、クーペ、SUVなどのさまざまな要素を融合させたもので、新ジャンルを作るマルチパーパスなクルマ」とメーカーは語るが、まだなじめないのが正直なところ。しかし、最近ではアウディA5スポーツバックや日産のスカイラインクロスオーバーなど、従来のセグメントには分類できないクルマがデビューしてきている。無理矢理に規定するとしたら“4ドアクーペ”か。とりあえずマルチパーパスの実力拝見となるが、さすがに4.4㍑V8型エンジン搭載で、1千万円オーバーのBMW。強烈な加速感やハンドリングの切れのよさはBMWのスポーツセダンの方程式どおりでまったく期待を裏切らないというか、期待以上。ボディの大きさを感じさせないフットワークの良さに大満足。 さらにベースの5シリーズ同様、全幅が1900mmとなっているため車内もゆったりと座れる。唯一気になる点といえば、クーペスタイルだけに天井が低めで少し圧迫感を感じることと、小さなリアガラスよる後方視界の狭さぐらいだ。ま、スタイリッシュなクーペにもステーションワゴンにも見える斬新さと天秤に掛けるほどのネガティブ要素ではないと思うがどうだろう。

ちょっと楽しい仕掛けはテールゲート部分がトランクのように開けることも、ハッチバック車のように開けることもできるツイン・テールゲートというあたりか。使い勝手から見ても良いアイデアであると同時に、ちょっぴり人に見せたくなる自慢ポイントにもなりそう。BMWはスポーツセダン、と言う人がちょっと目先を変えるときにはいい選択肢となりそうだが、リーズナブルなモデルでも878万円。3シリーズベースで400万円前後なんてクロスオーバーモデルがでたらデートカーとしても現実味がでてくるのだが……。 スタイリッシュな外観の割には室内空間には十分な広さが確保され、後席に座っても足元には余裕がいっぱいだし、天井の形状を工夫することによって頭上にも余裕を生み出している。この後席は左右独立してリクライニングすることや前後100mmのスライドが可能だ。搭載エンジンは2機種でいずれも高精度ダイレクトインジェクションを使った直噴&ツインターボ仕様とされ、直列6気筒3.0リッターのDOHCにはバルブトロニックも採用された。またV型8気筒4.4リッターも搭載される。

SPECIFICATION
サイズ:全長5000mm全幅×1900mm全高×1565mm
ホイールベース:3070mm
車重:2020kg
エンジン:V型8気筒DOHC 4394cc
最高出力: 300kW(407ps)/5500rpm
最大トルク:600Nm(61.2kg-m)/1750~4500rpm
トランスミッション:8速AT
10・15モード燃費:7.4km/L
価格:1114万円(550i)


評価項目の基準
ファン・トゥ・ドライブ度:走りの楽しさ。快適気持ちのいい走り度でもある。さらに彼女に運転を任せられるかなども評価。
目立ち度:街中などでの視線の集中具合など話題性や注目度を評価
インテリア洗練度:インテリアのデザインや質感、居心地の良さなどを評価
デートカー度:デートカーとしての役割。女性に人気があるか関心を示して貰えるか?
コストパフォーマンス:お買い得度、ランニングコストなどを総合的に評価
燃費:そのセグメントに置いて燃費の良さ、環境性能をどれほど気にしているかを評価
★5つがフルマーク

2010.02.10|New Car Driving Data 2010

ルノー カングー
極上の乗り心地を手に入れたガテン系フレンチ

ゲイナーの採点
ファン・トゥ・ドライブ度:★★★★★
目立ち度:★★
インテリア洗練度:★★★
デートカー度:★★★
コストパフォーマンス:★★★★
燃費:★★★


フレンチワゴンとは言うものの街で見かけてもそれほど注目を浴びるわけではない。はっきり言って“知る人ぞ知る”のハイトワゴンだ。が、その愛らしいスタイルが受けているのだろうか、日本で販売されるルノーブランドでもっとも売れているのがカングーなのだ。このヨーロッパでもこの手のワゴンではトップシェアを誇り、パリの街角などでもしょっちゅう見かける。そのコンセプトは“LUDOSPACE(ルドスパス:遊びの空間)”。エンスーっぽく解説すると、ラテン語で「遊び」を意味する“LUDOS”とフランス語の「空間」を意味する“ESPACE”の合体造語と言うことらしい。つまり商用と言うより、お遊びのクルマとして生まれてきたようなのだ。

どこが遊びに通じるかと言えば広々としたラゲッジスペースの凄さ。両側スライド式のリアドアの使いやすさに加え、観音開きのリアハッチを開けると高い天井のスクエアなラゲッジスペースが出現。単身者引っ越しに使えるほど広いし、他にも容量たっぷりのオーバーヘッドコンソールなど入れ物が山のようにある。ボード、スキー、フィッシング、MTBなどどんなアウトドアにもまず困ることはない。もし近くにディーラーがあるなら、ぜひその凄さを実際に確認して欲しい。で、そのついでに試乗すれば今度は“いかにもフランス車らしい”抜群の乗り心地に驚くはず。走り出した途端にソフトこの上ないというか、乗ったことはないがまさに“空飛ぶ絨毯”。ギクシャク、ガタピシとは無縁のフワッとシートごと包み込まれたような乗り心地の気持ちのいいこと。おまけにボディカラーなんかも「Volga Bleu(ボルガブルー=ボルガ川の青)」とか「Blanc Glacier(ブラン グラシエ=氷河の白)」といったか感じで洒落ている。国産車がこんなネーミングならダサさの極みだが、本場フレンチならガテンなクルマでも許せる。この一台、デートカーだけでなく仲間作りのツールとしても最高かも知れない。

SPECIFICATION
サイズ:全長4215mm全幅×1830mm全高×1830mm
ホイールベース:2700mm
車重:1460kg
エンジン:直列4気筒DOHC 1598cc
最高出力: 78kW(105ps)/5750rpm
最大トルク:148Nm(15.1kg-m)/3750rpm
トランスミッション:4速AT
10・15モード燃費:データなし
価格:229.8万円


評価項目の基準
ファン・トゥ・ドライブ度:走りの楽しさ。快適気持ちのいい走り度でもある。さらに彼女に運転を任せられるかなども評価。
目立ち度:街中などでの視線の集中具合など話題性や注目度を評価
インテリア洗練度:インテリアのデザインや質感、居心地の良さなどを評価
デートカー度:デートカーとしての役割。女性に人気があるか関心を示して貰えるか?
コストパフォーマンス:お買い得度、ランニングコストなどを総合的に評価
燃費:そのセグメントに置いて燃費の良さ、環境性能をどれほど気にしているかを評価
★5つがフルマーク

2010.01.09|New Car Driving Data 2010

VW GOLF GTI
肉食系? 草食系?どちらも気取れるホットハッチ

ゲイナーの採点
ファン・トゥ・ドライブ度:★★★★★
目立ち度:★★★
インテリア洗練度:★★★★★
デートカー度:★★★
コストパフォーマンス:★★★
燃費:★★★★★


アウトバーンの追い越し車線を走れる唯一の小型車! そんな形容句と共に1976年、衝撃のデビューを果たしたのが初代ゴルフGTI。世界中の若者がこのスーパーゴルフに憧れ、各メーカーは競って類似のホットハッチを投入。“GTIセグメント”というカテゴリーまで生み出したこの特別な存在は正常進化を続けながら、現在まで生き残っている。というかヨーロッパには、まだまだGTIのようなホットハッチを支持し、スペシャルな走りを楽しんでいる人たちがかなり多くいるのだ。
一方、日本ではいくら“ポルシェを凌ぐパフォーマンス”などとインプレッションを伝えたところで振り向いてくれるのはVWゴルフフリークか走り屋さんぐらい。確かに、こいつを箱根のワインディングなどに持ち込んでワインディングを攻めると抜群の安定感を持ちながら、鉄壁の速さを見せつける。が、それは憧れや購入動機の要素にはなりにくい。で、他に日本ならではのセールスポイントを探すと、ホットハッチらしからぬ草食系の一面を持っているところ。なんと静粛性、環境性能がヨーロッパでも高く評価され、211psの最高出力を発生しながら、13km/LというGTI史上最高の低燃費を実現。肉食系をも納得させる超一級の動力性能と、地球に優しい環境性能の両立はゴルフGTIの真骨頂だ。もちろんこの性格を堪能するためにはドライビングの腕がなければいけないが……。

SPECIFICATION
ホイールベース:2575mm
車重:1400kg
エンジン:直列4気筒DOHCターボ
最高出力: 155kW(211ps)/5300~6200rpm
最大トルク:280Nm(28.6kg-m)/1700~5200rpm
トランスミッション:6速DSG
10・15モード燃費:13.0km/L
価格:366万円

評価項目の基準
ファン・トゥ・ドライブ度:走りの楽しさ。快適気持ちのいい走り度でもある。さらに彼女に運転を任せられるかなども評価。
目立ち度:街中などでの視線の集中具合など話題性や注目度を評価
インテリア洗練度:インテリアのデザインや質感、居心地の良さなどを評価
デートカー度:デートカーとしての役割。女性に人気があるか関心を示して貰えるか?
コストパフォーマンス:お買い得度、ランニングコストなどを総合的に評価
燃費:そのセグメントに置いて燃費の良さ、環境性能をどれほど気にしているかを評価
★5つがフルマーク

2009.12.10|New Car Driving Data 2009

プリウスVS.インサイト
どっちが勝った!? 実用燃費比較

ゲイナーの採点「プリウス」
ファン・トゥ・ドライブ度:★★★
目立ち度:★★★★
インテリア洗練度:★★★★★
デートカー度:★★★
コストパフォーマンス:★★★★
燃費:★★★★★

ゲイナーの採点「インサイト」
ファン・トゥ・ドライブ度:★★★★
目立ち度:★★★
インテリア洗練度:★★★
デートカー度:★★★★
コストパフォーマンス:★★★★★
燃費:★★★★★

日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞のトヨタ・プリウスとRJCカー・オブ・ザ・イヤー受賞のホンダ・インサイト。ま、それぞれの協会に所属するジャーナリストたちの絶妙なバランス感覚には感動すら覚えるが、結局、どっちがいいの? と言う話だ。そこで今回は“燃費にこだわり”全行程350㌔ほどのロングドライブでチェックしてみた。最初に断っておくが、両車を走らせた距離はほぼ同じだが、日時や天候、ドライビングには多少の差があるため、厳密な比較にはならない。とにかく“普通に普通に走った”結果だ。 まずトヨタ・プリウス(グレードS/220万円)は全行程351.6km。ハイウエーは60%、流れのいい田舎道20%、市街地並び渋滞が20%という割合で、平均燃費23.8km/リットル。当日の消費燃料は14.77リットルだから1リットル120円で計算すると1772.4円。

一方のホンダ・インサイト(グレードG/189万円)は全行程353.2km。ハイウエーは70%、流れのいい田舎道10%、市街地並び渋滞が30%という割合で、平均燃費21.2km/リットル。当日の消費燃料は16.66リットルだから1リットル120円で計算すると1999.2円。 専門誌などが、腫れ物に触るように行った燃費競争の数値では30km/リットルなんてざらだが、今回はあくまでも普通に使った結果だ。プリウスの10・15モードは35.5km/リットル、インサイトは30.0km/リットル。カタログ数値の7割が実用燃費だから、プリウスはわずかに下回り、インサイトはわずかに上まわったことになるが、燃費自体はプリウスの勝ち。しかし、車両価格ではプリウスが31万円高。この価格差を350㌔走行して226.8円しか違わない燃料代でプリウスが埋め合わせるためには478万㌔あまり走らなければ行けないことになるから、リーズナブルという観点ではインサイトの勝ち。

では今まで計測してきた“燃費がいい”と言われているコンパクトカーの実走燃費と比較するとどうなるか? フィアットのチンクエチェント15.6km/リットル、日産キューブ14.2km/リットル、マツダ・デミオ15.4km/リットル、ホンダ・ライフ16.2km/リットル(すべて編集部実測値)などからすれば、やはりハイブリッドの燃費の良さが際だつ。仮にマツダ・デミオで350㌔走ったばあいの使用燃料は22.7リットル、燃料代は2724円となる。プリウスで952円、インサイトで724円のお得となる。ハイブリッドならドライブ途中のランチにちょっぴりゆとりが生まれるわけだ。

TOYOTA PRIUS SPECIFICATION
全長:4460mm 全幅:1745mm 全高:1490mm
車両重量:1350kg 
エンジン種類:水冷直列4気筒DOHC 
排気量:1797cc 
最高出力:エンジン( 99ps)+モーター(82ps)システム出力136馬力 
10・15モード燃費:38.0km/リットル 
価格:220万円(S)

HONDA INSIGHT SPECIFICATION
全長:4390mm 全幅:1695mm 全高:1425mm
車両重量:1190kg 
エンジン種類:水冷直列4気筒DOHC 
排気量:1339cc 
最高出力:エンジン( 88ps)+モーター(14ps)システム出力98馬力 
10・15モード燃費:30.0km/リットル 
価格:189万円(G)

評価項目の基準
ファン・トゥ・ドライブ度:走りの楽しさ。快適気持ちのいい走り度でもある。さらに彼女に運転を任せられるかなども評価。
目立ち度:街中などでの視線の集中具合など話題性や注目度を評価
インテリア洗練度:インテリアのデザインや質感、居心地の良さなどを評価
デートカー度:デートカーとしての役割。女性に人気があるか関心を示して貰えるか?
コストパフォーマンス:お買い得度、ランニングコストなどを総合的に評価
燃費:そのセグメントに置いて燃費の良さ、環境性能をどれほど気にしているかを評価
★5つがフルマーク

2009.11.10|New Car Driving Data 2009

MINI クラブマン
胴長ルックでオシャレ感がアップ!?

ゲイナーの採点
ファン・トゥ・ドライブ度:★★★★
目立ち度:★★★★★
インテリア洗練度:★★★★★
デートカー度:★★★★★
コストパフォーマンス:★★
燃費:★★★★

日本では“3ドアハッチバックは売れない”と思いこんでいた人々にショックを与えたBMWのミニ。オールドミニのデザイン・テイストを現代風に解釈し、生まれ変わったニュー・ミニは、日本はもちろんのこと世界的な大ヒットになり、その勢いは現行の2世代目モデルでも衰えてはいない。そこに追加されたのが胴長のワゴンモデル、クラブマンだ。Bピラーから後ろのボディをハッチバックよりホイールベースで80㎜、全長ではなんと235㎜延長して完成したのが独得の胴長スタイル。そのダックスフンドのような愛くるしいボディは豊かなファッション性さえも兼ね備えている。青山や原宿あたりの路地をちょこまかと走っている姿はほほえましいと同時に強烈な存在感を感じる。さらにリアゲートはオールドミニ時代のワゴンモデル、カントリーマン&トラベラーなどに習って観音開きと来ているから、荷物の積み卸しなどでも目立つ演出となる。もちろんワゴンだからハッチバック・モデルより拡大された荷室の使い勝手は向上している。が、トランク容量は260リットルで、後席を倒すと930リットルという数値でそれほど自慢できるレベルではない。ベースがミニマムなだけに“ようやく普通になった”程度と考えたい。

ホイールベースが延びて良かった点と言えば、ちょっと狭めだったリアシートに大人2名がくつろぎながら乗れること。ヨーロッパでは大人2名に子ども1人の3名乗車が法規的に許されているほどだ。さらにリアシートへの乗降性を向上させるため、マツダRX-8と同じように運転席側に後方へと開く小さなリアドアを設けた。当然、乗り降りやリアシートへの荷物の投げ入れなどの実用性は大幅に向上したし、リアドア同様にデザイン上の強烈な演出にもなっている。

パワーユニットやギア比はハッチバックと同じだが、少しチューニングを変更。ワゴン化によって50kgほど増えたボディでも燃費や走りで物足りなさを感じさせないためのチューニングとなっている。またホイールべースの延長は前後の揺れ、ピッチングを低減させ、直進安定性も向上。ハッチバックのゴーカート感覚は少しだけスポイルされたが、乗り心地は確実に良くなっている。ミニ・ファミリーの中でもっとも注目度の高いスタイルは最先端のファッションストリートだけでなく京都のような古都、ビジネス街と、どんな街角でも似合いそうだ。唯一のウイークポイントは“ちょっぴり高価”と言うところか。

SPECIFICATION
サイズ:全長×3935mm全幅×1685mm全高×1440mm
ホイールベース:2545mm
車重:1220kg
エンジン:水冷直列4気筒DOHCエンジン
排気量:1598cc
最高出力: 120ps(88kw)/6000rpm
最大トルク:16・3kgm(160Nm)/4250rpm 
10・15モード燃費:18・0km/リットル
車両本体価格=287万円(クーパー)

評価項目の基準
ファン・トゥ・ドライブ度:走りの楽しさ。快適気持ちのいい走り度でもある。さらに彼女に運転を任せられるかなども評価。
目立ち度:街中などでの視線の集中具合など話題性や注目度を評価
インテリア洗練度:インテリアのデザインや質感、居心地の良さなどを評価
デートカー度:デートカーとしての役割。女性に人気があるか関心を示して貰えるか?
コストパフォーマンス:お買い得度、ランニングコストなどを総合的に評価
燃費:そのセグメントに置いて燃費の良さ、環境性能をどれほど気にしているかを評価
★5つがフルマーク

2009.10.10|New Car Driving Data 2009

アルファ・ロメオMITO
ベイビーアルファは刺激たっぷり!

ゲイナーの採点
ファン・トゥ・ドライブ度:★★★
目立ち度:★★
インテリア洗練度:★★★★
デートカー度:★★
コストパフォーマンス:★★★
燃費:★★★★★

ハイブリッド車絶対優位の日本マーケットで、スタイルや走りのことばかり声高に言うのはいかがなものか…。なんて冷静を装っている場合じゃないと思わせてくれるのがアルファ・ロメオの末弟、ミトの存在だ。MiToと表記されるネーミングは、デザインや開発を担当したアルファ・ロメオのミラノ本部から取った「MI」と、生産したトリノから取った「TO」を結びつけたと言うあたりからして、ちょっぴりオシャレなエピソード。この辺のうんちくを助手席の彼女に話してあげるのもちょっと楽しい。そのスタイルの基本にあるデザインはアルファ・ブランドのアイコンと呼ばれているスーパースポーツ、8C コンペティツィオーネの血統を引き継いでいる。が、この辺のエンスー話をごちゃごちゃ言うより、ミトの愛嬌あるフロントマスクと丸みを帯びたボディ・ライン、さらに元気なホットハッチらしいスポーティなスタイルを見るだけで、このデザインの良さが理解できるはず。もし鮮やかなアルファレッドをセレクトし、夜の東京を走ったら確実に注目を浴びる。クロームリングの縁取りがあるヘッドライトとLEDテールランプが個性的な表情を見せてくれている。VWゴルフの優等生的な澄ました表情と比較するとかなりいたずらっぽい表情を見せていて、市街地はもちろんのこと、郊外の景色の中でも周囲を楽しくしてくれるデザインだ。実はこの表情は今後のアルファ・デザインをリードするもの。間もなく新しくなる147(名前は149に変わる)のフロントマスクもこのデザインテイストを採用している。

アルファと言うか、イタリア車のもう一つの楽しさはドライバーコンシャスにデザインされたインテリアデザイン。高級感あるアルミ製スポーツペダル、サポート感抜群のスポーツシートが華やかなインテリアの中できっちりとアクセントとなっている。国産車のハッチバックでは感じることが少ない、良質なデザインがドライブデートを楽しくしてくれるし、どこから見ても十分にファッションツールとして通用する。このデザインだけでも結構満足できるのだが、走らせてもきっちり楽しい。

ラインナップで見ればアルファ147よりもさらにワンクラス下のモデルで愛称は“ベイビーアルファ”。ボディはコンパクトであり基本プラットフォームはフィアットのグランデプントを採用している。さらにサスペンションなど多くの部分をフィアット系のモデルと同じ形式だが、味付けはアルファらしいスポーティなチューニングを数多く施している。ステアリングもクイックな味付けだし、より大径なディスク・ブレーキによって制動能力も上がっている。

もっとも刺激的な装置は運動性能(Dynamic)、市街地(Normal)、安全性(All weather)の3モードからドライバーが選択でき“キュートな上にめちゃ速い!”走りを実現している。この辺は一人の時の楽しみとして取っておきたい性格かも知れない。おまけに燃費だが6速MTと言うこともあり、そこそこ楽しみながらロングドライブを楽しんでも12km/リットルあたりはクリアできる。さて残る問題は6MTのみしか導入されていないと言うこと。腕を磨くか、2ペダル仕様のセレスピード導入を待つか、ちょっと悩ましい。

SPECIFICATION
サイズ:全長×4770mm全幅×1720mm全高×1475mm
ホイールベース:2510mm
車重:1220kg
エンジン:直列4気筒DOHCターボ
最高出力: 114kW(155ps)/5500rpm、
最大トルク:201Nm(20.5kg-m)/5000rpm
トランスミッション:6速MT
10・15モード燃費:データ非公表
車両本体価格=285万円

評価項目の基準
ファン・トゥ・ドライブ度:走りの楽しさ。快適気持ちのいい走り度でもある。さらに彼女に運転を任せられるかなども評価。
目立ち度:街中などでの視線の集中具合など話題性や注目度を評価
インテリア洗練度:インテリアのデザインや質感、居心地の良さなどを評価
デートカー度:デートカーとしての役割。女性に人気があるか関心を示して貰えるか?
コストパフォーマンス:お買い得度、ランニングコストなどを総合的に評価
燃費:そのセグメントに置いて燃費の良さ、環境性能をどれほど気にしているかを評価
★5つがフルマーク

2009.09.10|New Car Driving Data 2009

LEXUS HS250h ハイブリッドの静粛性と広い極上快適キャビンに注目

レクサス初のハイブリッド専用モデル、HS250hが大人気だ。12年前、今ほど環境がブームになっていない頃に手塚治虫の「リボンの騎士」をCMキャラクターとして登場した世界初の量産ハイブリッドカー、初代プリウスは決してカッコいい存在ではなかった。むしろ“燃費を気にするなんて貧乏臭い”という意見もあったほど。またバッテリーを交換すると40万円の出費になるなど、燃費の良さだけで購入費用や維持管理費の出費は取り戻せない、とも言われていたのだ。当然、現在のプリウスが抱える“8カ月納車待ち”などという状況は想像すら出来なかった。それが今、ハイブリッドカーでなければクルマではないような風潮まである。中には購入したばかりのプリウスを中古車市場に流しただけで30~40万円儲かるなんて業者まで現れたのだから何のための環境対応車、正義の味方なのか?

そんな状況の中、レクサスからハイブリッド専用モデル、HS250hが登場し、今度はメルセデスやBMWに対向するプレミアム・ブランドとしてさらに成長しようというわけだ。レクサスのある営業マンは「“プリウスは納車待ちが長いからこちらに来ました”というお客様までいらっしゃいますよ」と話していた。つまり、価格を度外視してもとにかくハイブリッドが欲しい、と言うユーザーが発売直後からディーラー押し寄せて、月間販売目標500台という控えめな台数も手伝い、こちらにもバックオーダー6カ月という状況。エコカー減税など、強い追い風が吹くなか、ハイブリッドカーバブルとも言える状況は他のプレミアム・セグメントにも影響を与え、今後はメルセデス、ポルシェ、BMWなど名だたるブランドが次々に参入予定だ。パイオニアであるレクサスはここでしっかりとした商品性を確立することで後続のメーカーとの差別化を図り、一歩リードしようと考えているようなのだが、果たしてHS250hの実力は? 車両価格は395万円から535万円。装備品や諸経費を含めると最低でも500万円近くの出費だからかなりの高額車だ。

まずスタイルだが同じレクサスのエントリーモデル、ISよりはコンサバというか、かなり普通で素っ気ない。スタイリッシュと言うことで言えばISには敵わないだろうし、もし普通のガソリン車であったならば、注目度はかなり低くなるデザインはちょっと残念。レクサス初のハイブリッド専用車という触れ込みがなかったら辛いかも知れない。

ただ、外見のデザインを除けばパッケージングは良好でウインドーも大きく、全長に比べキャビンの割合も大きい。そしてスクエアなボディはいかにも運転がしやすそう。事実、ちょっと重めのドアを開けて乗り込むと、レクサスらしい高級感あるインテリアが迎えてくれる。インパネのデザインも年寄り臭さはなく、デートカーとしても十分に通用するほどクリーンなデザインであり、彼女との話のネタになるほどの斬新さがある。おまけに全長4.7mのFFセダンということで居住性はかなりいい。ルーフが高く、乗降性もよく、乗り込めば広々とした後席スペースも含めて、大柄な大人4人が楽に寛げる。この広々とした室内は友人たちとのゴルフなどでは特に重宝するはず。友人たちと交通費をシェアすれば負担が軽減され、喜ばれること確実。ハイブリッドカーは大きなバッテリーをトランク周辺に設置するという構造的なハンデを抱えているが、そんな泣き所も解決され、トランクスペースには9.5インチのゴルフバッグが4個入る。唯一、リアシートの背後にバッテリーを積んでいるためトランクスルーは不可能。ま、トランクスルーの使用頻度を考えれば問題ないかも知れない。

さてHS250hに積まれているシステムはアメリカ向けのトヨタ・カムリハイブリッドのものを移植したものであり、全体の印象とすればプリウスやレクサスGS&LSハイブリッドなどと同じフィーリングの範疇にある。いかにもハイブリッドらしく、静かであり、アクセルを踏み込めば滑らかな力強さを伴いながら加速していく。広く居心地のいいキャビンは静粛そのもので“ハイブリッドの価値”を強烈に感じ取ることが出来る。この静かさがあれば別にスポーティな走りなど敢えて行わなくとも“極上の快適”だけで満足できる人がいるかも知れない。足回りなどは標準仕様とちょっと硬めのチューンを施したスポーティな仕様とがあり、タイヤも17インチ仕様と18インチ仕様がセレクトできる。が、ハイブリッドカーであまりガツガツ走るのも本末転倒と考えるならばもっともリーズナブルな仕様が十分。静かで快適、そしてブームのハイブリッドカーに乗ると言うことにクールさを感じるならば現状では最良の選択枝に入る一台だろうが、スタイルの素っ気なさは我慢しなければいけない。おまけにBMWの3シリーズやメルセデスベンツ・Cクラスを考えていたゲイナー世代にとって「ハイブリッドカーだから」と言う理由だけで心変わりをさせるだけの力となるだろうか。とりあえずデートカーとして、このスタイルにはちょっと不安が残る。

SPECIFICATION
サイズ:全長×4700mm全幅×1785mm全高×1505mm
ホイールベース:2700mm
車重:1640kg
エンジン:直列4気筒DOHC
最高出力: 110kW(150ps)/6000rpm、
最大トルク:187Nm(19.1kg-m)/4400rpm
モーター:105kW(143ps)rpm、
最大トルク:270Nm(27.5kg-m)
トランスミッション:CVT
10・15モード燃費:23.0km/リッター
車両本体価格=395万円~

ゲイナーの採点
ファン・トゥ・ドライブ度:★★★
目立ち度:★★
インテリア洗練度:★★★★
デートカー度:★★
コストパフォーマンス:★★★
燃費:★★★★★

評価項目の基準
ファン・トゥ・ドライブ度:走りの楽しさ。快適気持ちのいい走り度でもある。さらに彼女に運転を任せられるかなども評価。
目立ち度:街中などでの視線の集中具合など話題性や注目度を評価
インテリア洗練度:インテリアのデザインや質感、居心地の良さなどを評価
デートカー度:デートカーとしての役割。女性に人気があるか関心を示して貰えるか?
コストパフォーマンス:お買い得度、ランニングコストなどを総合的に評価
燃費:そのセグメントに置いて燃費の良さ、環境性能をどれほど気にしているかを評価
★5つがフルマーク

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